経営者として実務者とのコミュニケーションに必要と思われる「財務・管理会計」、「組織論・人材管理」、「戦略論」、「リスクマネジメント」、「医療の公共性を念頭においた経営倫理」等をコア概念とし、具体事例検討を通じて実践的な学習を深められるよう取り組みます。 医学系研究科のみならず、学内の他の研究科や学外の教育機関、研究機関、医療産業マーケティング担当者から外部講師を招く等により、様々な分野の専門家の視点を取り入れた教育を行います。
標準コースの対象
当コースは、次世代の国立大学病院を中心とする公的高度医療機関の経営層を養成することを目的としている。従って対象となる受講者は主として大学病院に勤務する若手〜中堅の医師、メディカルスタッフおよび事務職員のうち、今後病院経営に従事する機会を持つ可能性が高いもの、ないしはその意思を持つものを想定している。その他の公的病院等に勤務するものの参加を拒むものではないが、一部の講義・演習については、大学病院など公的高度医療機関に固有の制度や特徴を取り扱う場合があるので、留意されたい。
当コースのカリキュラム編成上のねらい
経営の基本的姿勢や考え方について十分な理解を得ることを最大の到達目標とする。また大学病院など公的高度医療機関の組織的特徴とそれを囲む制度ほか周辺環境について十分な知識を修得し、高度医療機関にふさわしいビジョンを俯瞰できる素養を身に着ける。経営技術については経営担当部局との効果的なコミュニケーションに必要な、初歩的ないし中級レベルの修得を目指す。経営の中心的概念・技術(財務・管理会計、組織論・人材管理、戦略論、リスクマネジメント)について、オーバービュー講義を通じて基礎知識を学習し、インクラスディスカッションならびにケースシナリオを用いた実践的演習を通じて、それらを実践知化する。講義、演習ともにディスカッションを重視し基本的概念の定着のみならず、プレゼンテーション能力、およびコミュニケーション能力を養うことも目指す。
カリキュラム中にオムニバス講義で、関連のトピックをカバーし、より広い視点からのケースの考察ができるように援助する。本コースは個別経営技術の習得そのものや、現在話題となっている経営上のトピックを取り扱うことは中心的な目的とはしない。
さらに、コースの期間中・修了後を通して履修者相互によるネットワーク構築を支援する(同窓会組織あり)。
コース受講者に求められる姿勢
当コースは学校教育法第百五条に基づく「大学における特別の課程」であり、修了者には履修証明書が発行される。修了にかかる要件については下記に詳述するが、受講者には第一に全講義を欠席することなく受講する十分な準備が求められる。
講義はあくまでも基本知識を確認するためのものであり、当コースでは講義中の積極的な発言や、ケースを通じたアクティブな学習を参加者に対して求める。そのため、特にシナリオケースについては事前の読み込みを、指定された場合には課題準備を事前に行ったうえで受講することを必須要件とする。また、講師への質問を歓迎する。外部から招聘するゲスト講師も多いことから、質問は講義中にすることを心がけられたい。
さらに講座中に適宜行われる小グループによる討論・準備も、多職種・利害関係のある集団とのコミュニケーションや共同意思決定が求められる経営者にとって必須の訓練であると考え、積極的な参加を求める。
修了認定
全講義への出席を修了認定の必須要件とする。やむを得ず欠席した場合は担当教員の指示を受け、欠課時数に相当する修学の成果を提示する必要がある。
出席に加えて、講義に臨む姿勢、ケーススタディへの参加状況、および提出課題等を総合評価して、修了認定審査会において判定を行う。修了を認定する場合は、本学の特別の課程を履修した事を証する書状を発行する。
対象 | 医師、看護師等のメディカルスタッフ、病院事務職員 |
場所 | 東京大学内/オンライン |
学習時間 | 半年間(約120時間) |
募集人数 | 20人 |
※ご不明な点は事務局までお問い合せ下さい